復活祭(イースター)が年によって移動する事は昨日述べた。そのイースターから46日前の水曜日が、「灰の水曜日」と呼ばれる。この日から、イースターまで教会は「悔い改め」の期間に入る。節制をするわけだな。伝統的に、断食とか、「肉を食べない」習慣があった。これは、イエスが宣教を始める前に40日間荒野で断食をしたことに因んでいる。聖書には悪魔の誘惑で試されたとある。神の子としての最終テストだったわけだな。なんで、46日前かと言うと、イースターまでの間にある6回の日曜日を数えないからだ。この期間を、四旬節、大斉節、受難節などと呼び、節制をし、派手な祝い事も控えるのが習慣だった。今でも、カトリック、聖公会などの教会では、結婚式はしない。この期節のほか、クリスマス前の4週間も節制、悔い改めの期間とされていて、同様に結婚式はできない。「結婚式は教会でやりたいなぁ」って思っている君! 憶えておくといいぞ。結婚式場付属のなんちゃらチャペルでは年中やってるけどね。あれ、外国人のすごくいいアルバイトなんだぜ。俺の知り合いもやってる。話が飛んだ。
で、断食しなくちゃならないから、その前に肉を食いだめる。これが、謝肉祭=カーニバルだ。だからぁ、昨日も言ったけど、8月に「サンバカーニバル」なんてやっちゃダメよね。ついでの話だけど、実は敬虔なキリスト教徒は、金曜日に肉を食べないという習慣がある。これはカトリックでも公式にはもう無くなったようだが、個人の習慣として、あるいは社会の一部分に残っている。現在はどうか知らないが、私がベルリンに居たころ、1970~80年代の学生食堂では、金曜日は必ず魚料理だった。もうひとつついでに、この学生食堂にドイツの「良いお家」のお坊ちゃまと昼飯を食べに行った。ちょうど金曜日で、魚だったんだが、このお坊ちゃまは絶対にナイフを使わない。なんでかって聞くと、「これ、魚用のナイフじゃないもん」だって。確かにな・・・。ドイツでは、茹でたジャガイモにはナイフを使わないという習慣があるんだが、これにはびっくりしたね。「絶対に肉用ナイフで魚を食べてはいけない」そうだ。さらについでに、彼は同じシュミッツ博士のクラスで、クラス演奏会のときは必ず暗譜で吹いていた。目を瞑って演奏するもんだから、少しずつ回転して、C.Ph.E.バッハの無伴奏ソナタ吹き終わる頃には、一回転していたという逸話の持ち主だった。話が飛んだ。
イースターが終わると、教会はなんとなく明るくなる。そして、イースターから数えて40日後、イエスの昇天を祝う。これ、教会的には大事な祝日で、諸外国で祝日になっている国も多い。40日と言うのは正確にはイースターから数えて6週間たったあとの木曜日だ。さらにその10日後が、五旬祭、聖霊降臨日と呼ばれる祝日だ。信徒たちの上に聖霊が降りてきた日とされる。計算すれば分かるが、必ず日曜日だ。この日は教会の誕生日と考えられていて、バザーなんかやるところが多いな。今年は6月4日だ。近くに教会があったら覗いてみるといい。あ、日曜日なんで午前中は礼拝やってるから、バザー目当てなら午後からな。
きょうはここまでだ。