フルートの吹き方 良い音を出すには・・・(5)

 前回の、補足をしておこうと思う。
補足)だんだん息の量を落としていくわけだが、当然、それに伴って息の穴は小さくなっていかなければならない。ホースで水を撒くところを想像してみてほしい。蛇口を大きく開けた時と、細く絞った時では水の飛ぶ角度が変わる。この角度を変えないようにするには、ホースの先をちょっと細くしてやればいいわけだ。

 さて、諸君の努力の賜物で、「あの点」が見つかったことだろうと思う。ああ、写真貼っといた。何しろ人手不足なんで、自撮りだから、こんなんで勘弁してくれ。息の穴と、エッジまでの距離感を参考にしてくれ。後々のために、あんまり近すぎないほうが良いぞ。それから、見え辛いが、歌口の真ん中に真っ直ぐな息の後が見えると思う。これは低音のG(ソ)で吹いているところだ。こうして、「あの点」が見つかったら、そこで、いろいろな実験をしてみよう。

 1)まず、穴の大きさを変えないで、息のスピードを上げてみよう。この場合、当然息の圧力が上がるわけだから、穴の大きさを維持するために、唇には多少の力が加わっていくはずだ。(多少だぞ)どうだろう?音色が変わっていくはずだ。倍音が多くなっていく、そしてさらにスピードを上げると、だんだんオクターブ上の音が聞こえてきて、さらにオクターブ上の音だけになって行く。ここでは、音はあまり大きくはならないはずだ。

 2)今度は、息のスピードが変わらないようにして、ほんの少し穴を大きくしてみよう。(ほんの少しだからね、実際は見てもわからない位)つまり、息がたくさん出ていくわけだな。音が大きくなれば正解だ。できる人は、この時、穴の巾を変えずに、高さ(厚さか?)を増すように工夫してみよう。どうだ?柔らかな、豊かな音になるだろ?
この、高さを増す方法にはちょいとしたコツがある。唇の端を引いてはだめだなんだ。これ、そのうちに、YouTubeで紹介するつもりだ。何しろ忙しいんでな。待ち遠しいようだったら、催促してくれ。これらができるようになったら、ここを基準に、色々なチャレンジができるはずだ。上唇だけじゃなく、下唇も自由にコントロールできることが、とても重要であるのが、お分かりいただけると思う。
 今日の最後に、こんな実験。鼻をつまむ、もしくは洗濯ばさみで挟んでおく。息をたくさん吸い、口に力を入れず、小さな穴を作って、低音のGはこれくらいかな?ってスピードで息を出し続ける。何秒続くかな?じゃぁ、実際に同じようにG(ソ)を吹いてみようか。何秒続いた?さっきほど続かんだろ?さて、さて、その差はいったい何なんだ?ってことを、考えようじゃないか。(鼻をつまむのは、長い間息を溜めていると、苦しくなって鼻から息を逃がしてしまうことがあるから。)

 

 今日はここまでだ。