フルートの選び方・・・(2)

今日は中級レヴェルの楽器選びの要点だ。
性能のよい楽器、つまり、「鳴る楽器」だと思ってないか? 鳴るって言ったって、大きい音、豊かな音、うるさい音といろいろだ。楽器屋さんの店頭で、ヒャァーって吹いて、「うん、これ鳴るわ」位の判断で高い楽器買うと、つまらないことが起きるぞ。まあ、楽器メーカーにしてみれば、パッと取って、ヒャァーって吹いて、でかい音が出りゃ、買ってもらえるだろうって思うだろうな。いまは、そんな楽器ばかりだな。

「ヘルムート・ハンミヒ氏のこと」で書いたけど、いい楽器は吹き方を教えてくれる。これは言い換えると、吹き方が少しでも正しい方向へ変化すれば、その分だけちゃんと良い音が鳴ってくれるということだ。良い音がどんな音かは、ここを読んでくれ。この将来の可能性を、楽器屋さんの店頭で判断しなきゃならない。まず、楽器屋さんの店頭でのこっちのコンディションを考えてみようか。誰でも、最初は息が広がり気味だ。だから普段でも、練習の初めには皆ウォーミングアップやロングトーンしなきゃならないわけだ。楽器選びの際、このウォーミングアップの状態で、でヒャァーって吹いちゃうと、楽器の本当の性能は分からなくなるよ。でもね、この広がり気味の息で、ウォーミングアップみたいな吹き方をした時に鳴るような楽器が、店頭に並んでるんだ。最近の歌口は、サイドが大きくカットされている。歌口の楕円の長軸方向の両側が、角を落としたように斜めに削られている。これなぁ、製作者の本当の考えは分からんが、広がった息をまとめる役割がある。だから、ヒャァーって吹くと・・・鳴る! 初心者も息は広がっているから、それはそれで助けにはなるんだけれど、そういう楽器、息がまとめられるようになっても、一向に音が充実してこない。中級レヴェルになったら、どんどん吹き方を研究し、自分の音を創っていかなくちゃならない。そんな時、これでは決して良い楽器とは言えない。

「工夫されている」歌口はこれだけじゃない。穴が殆ど四角だったり、リッププレートの向こう側がカクンと曲がっていて、穴を真上にすると断崖絶壁のようになっているのがある。これらの楽器は、演奏者の自由度を確実に奪うはずだ。頭部管を内側に回したり、歌口を下唇でたくさん覆うと、歌口の向こう側のエッジは唇に近付き、広がる前の息をにエッジに到達させる事が出来て一見有利だ。しかし、こうすると息の入るスペースが狭くなるので「大きい音」は出ない。その欠点を補うため、四角い穴は、歌口を下唇で塞ぎ過ぎても、息が入っていくスペースを確保するための仕掛けだし、断崖絶壁は歌口をかなり内側に傾けて吹いても息が通って行く仕掛けだ。これじゃ、ママチャリで自転車乗れるようになって、自転車好きになって、今度は本格的に自転車乗りたいと思った時、電動自転車に、補助輪付いたのを買うようなもんだ。競輪用の自転車は無理かもしれないが、スポーツバイクくらいは手に入れたいよな。

では具体的にはどう選べば良いか。まず、変わった形をしてたら避ける。(歪んでいるのは論外)。参考までにヘルムート・ハンミヒの歌口の写真を載せておく。これがベストとは言わない。だが、これが伝統の中で培われてきたオーソドックスな形だ。いま、楽器屋さんの店頭に、滅多に見られないからな。次に、充分にコントロールされた細い息で、小さな音を吹いてみる。なるべく少ない息で、楽器の反応を見るんだ。この時、頭部管を内側に回し過ぎないこと、そして、歌口を塞ぎ過ぎないこと。雑音が増えてくるのはここで失格だ。大きい音なんて試さなくていい、反応が良ければ大きい音は必ず出るようになる。最後に、反射板の距離を正しく調整して、第1オクターブと第2オクターブのオクターブの音程が正確かどうかチェックしよう。(有名メーカーのものならたぶん大丈夫だとは思うが)第1オクターブのD(レ)の指使いで、第3倍音のA(ラ)を出し、正しい指使いの第2オクターブの(ラ)と音程が同じに取れるかどうかもチェックできるといいが、そもそもの吹き方が正しくないと厄介だ。

早まるなよ、まだ頭部管の話しかしてないからな。

きょうはここまでだ。

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