対処とアドヴァイス
症状01(全体を見て 眺めて)
■楽器全体が湾曲してしまうような大きなへこみがある
対処
要修理 ほとんどの場合、修理は可能ですが、楽器のグレード、材質などによっては買い換えの方が安くつく場合もあります。
アドヴァイス
症状02(全体を見て 眺めて)
■へこみによって機械部分に影響があると思われる・・キイが上がらない、下がらない、塞がらない
対処
要修理 厄介な修理なので見積もりを取りましょう。買い換えの方が安くつく場合もあります。
症状03(全体を見て 軽く振ってみる)
■異音、かちゃかちゃ音がする
対処1
頭部管から:ヘッドスクリューのゆるみ又は内部のヘッドコルク部分のゆるみが考えられます。各項を参照してください。自分で調整可能です。
アドヴァイス
難しい!と思ったら修理屋さんに任せましょう。決して無理をしないこと。修理屋さんなら簡単な仕事です。
対処2
胴・足部管から:場所を特定できたら、キイの項を参照してください。特定できないほどあちこちから異音がする場合は、とても古い楽器でガタガタの楽器といえるかもしれません。この場合はオーバーホールが必要でしょう。
症状04(頭部管 ヘッドスクリュー部分)
■振るとかちゃかちゃ音がする
対処
(簡単なメンテナンスの頁参照) ヘッドスクリューが緩んでいる場合は、反射板が動かないように注意して、カチャカチャ音がしなくなるまで時計方向にスクリューを回す。ヘッドスクリューが固定しているのに、中からカチャカチャ音がする場合は、ヘッドコルクを検査します。(次項)
アドヴァイス
症状05(頭部管 ヘッドスクリュー部分)
■反射板の位置がずれている
対処
(簡単なメンテナンスの頁参照)調整方法はこちら
症状06(頭部管 ヘッドスクリュー部分)
■ヘッドコルクの検査
対処
(簡単なメンテナンスの頁参照) 調整方法はこちら。コルクの劣化が激しいときはコルクを交換。要修理
症状07(頭部管 歌口)
■汚れ
対処
綿棒に水を付けてよく拭きましょう。(簡単なメンテナンスの頁参照)
症状08(頭部管 ジョイント部分)
■汚れ。胴体に挿すときにギシギシ、またはジャリジャリする
対処
水でよく拭く。ジョイント部だけ金属磨きをごくわずか付けて磨く。やりすぎは禁。(簡単なメンテナンスの頁参照)
症状09(頭部管 ジョイント部分)
■緩すぎる
対処
要修理 応急的には、薄い紙を必要なだけ頭部管と一緒に胴体に挿す。ただし、多すぎて抜けなくならないように
症状10(頭部管 ジョイント部分)
■固すぎる
対処
まずよく拭いてみましょう。金属磨きでジョイント部分だけ軽く拭いてみる。それでも固いときは要修理。ロウや油の使用は厳禁
症状11(頭部管 ジョイント部分)
■隙間がある。長く吹いているとジョイント部から水が出てくる。
対処
頭部管のゆがみによって、胴部管との接触面が少なくなっている場合があります。要修理
症状12(頭部管 ジョイント部分)
■先端が内側に湾曲
対処
要修理 これを修理すると、鳴りが劇的に改善される場合がある
症状13(胴・足部管 ジョイント部分)
■緩い、固い
対処
頭部管の項と同じ。極端な場合は要修理
症状14(胴・足部管 ポスト、芯金)
■芯金の突出:楽器に縦に沿って走っているパイプの中にあるのが芯金。ポストにねじで止められています。これが飛び出していてはいけません
対処
自分で修理 全体で6~8カ所チェックする場所があります。飛び出していたら、小さなマイナスドライバで軽く止まるまで締める。強すぎないこと。
症状15(胴・足部管 バネとバネかけ)
■バネが柔らかすぎる:キイの上がりに力がない。キイを押した時にへにゃっとした感じがある。ただしキイの上がりが遅い場合は、芯金とパイプの間にゴミや、劣化した油が入っていることがありますが、このような場合はバネをいじってはいけません、要修理です
対処
分解が必要。要調整(簡単なメンテナンスの頁参照)
症状16(胴・足部管 バネとバネかけ)
■バネが固すぎる:。指に力を入れないとキイを押せないとき。力を入れないで楽器を保持して指を動かしているのに、指が疲れてしまう時。
対処
分解が必要。要調整(簡単なメンテナンスの頁参照)
症状17(胴・足部管 バネとバネかけ)
■バネがはずれている:キイが上がらない。キイが塞がっていてくれない。キイがパタパタ、ひらひらと動いてしまう。”
対処
場所によっては分解が必要。ほとんど自分で直せる。問題のキイを動かして観察してみてください。バネとバネかけを見つけられるはずです。(簡単なメンテナンスの頁参照)
アドヴァイス
症状18(胴・足部管 バネとバネかけ)
■バネが折れている:上記と同じ症状だが、バネが見あたらない。バネかけまで届かない。
対処
要修理
症状19(胴・足部管 キイの開き)
■キイの開きが一定でない:他のキイと比較して開きが大きすぎる場合、小さすぎる場合。
対処
要修理 キイの足部分のフェルト片が取れている場合、連携がうまく調整されていない場合などがある。落ちたフェルト編はボンドで接着、ただし、瞬間接着剤は厳禁。フェルトにしみこんで、固くなってしまう
症状20(胴・足部管 キイの連携)
■楽連携しているキイが全部が等しく塞がらない。連携に「あそび」がある
対処
要修理 上項を参照。油の差しすぎによる、連携調整紙の脱落が原因である場合がある
症状21(胴・足部管 キイの動き)
■キイの動きがなめらかでない。
対処
パイプと芯金のゴミなどによる詰まり、油の差しすぎ、バネの問題、摩耗によるガタ、など原因が多くあるので、専門家による診断が必要。要修理
症状22(胴・足部管 キイの注油)
■キイを動かすとカチャカチャと乾いた音がする
対処
油の不足は、異音だけでなく、楽器の機械部分の摩耗を促し、調整不能にもなることがあります。一方油の差しすぎにも、多くの害があります
アドヴァイス
症状23(胴・足部管 タンポ)
■キイが塞がらない、音が出ない、ぎゅっと押さえないと音が出ない:キイにはタンポといわれるフェルトをタンポスキンでくるんだものがついていて、これで音穴を塞ぎます。ほんの僅かの隙間も許されません。そのキイ以下の音は、確実に出にくくなります。目視で確認できるような大きな隙間などは論外
対処
1年に1回は不具合が感じられなくても調整に出しましょう。良く吹く人なら5~8年に1回はオーバーホールを。タンポ調整はシビアな仕事で、専門家、特に熟練した修理屋さんに任せるのがベスト。調整技術の中心であり、技術に大きな差が出ます
アドヴァイス
フルートという楽器は、管楽器の中で最も調整の難しい楽器です。タンポの狂いは、徐々に出てくるので、気がつかないうちに無理をして吹くようになってしまいますから注意が必要です。長い間吹かないでいた楽器は、保存管理をよほどしっかりしていない限り、相当の狂いが出ていると思ってください