テクニックの練習を調性のあるものと無いものに分けると、昨日の音階練習に加えて、アルペジオの練習が挙げられる。各調の主和音と属七をやっておけばま、殆どの和音に対応できる。減七のアルペジオについては、先に述べたのでここでは省略する。Cdur(ハ長調)とDdur(ニ長調)を例にとって譜例を示す。最低音はC(ド)最高音は4オクターブ目のC(ド)としておく。
これを、スラーとスタカートで練習する。連桁の区切りに注意だ。3つ取り、4つ取りで双方を練習するといい。最初は大変かもしれないが、パターンを覚えてしまうと楽にできるようになる。これ、暗譜しちゃった方が早いよ。これも、太極拳のようにゆっくりだ。
続いて属七だ。面倒臭いから、Ddur(ニ長調)省略するぞ。上の譜例と同じように考えればいい。
余談だけど、譜面書くのもとても大事なお勉強だと思う。最近は、コピー機でいとも簡単にコピーができる。音大生といえども写譜なんてしたこと無いと思う。写譜ペンだって今、売っているのかいないのか。鉛筆の方が綺麗に書けるけど。コピー出来るから、楽譜を大切にしない。たまに書くと、下手糞で読めない。めくりを工夫しなきゃならない時、数小節書き写せばいい時でも、1ページ丸々コピーして、残りをあっさりと捨ててしまう。ベルリンにいた頃古道具屋で、あるフルーティストが残した手書きの「オーケストラスタディ」(オーケストラ曲の、難しい部分だけを抜き書きしたもの)を手に入れた。2マルク、200円くらいだった。100ページ以上あって、それぞれの断片の後に、それを演奏した日付が入っている。名もないフルート奏者だが、その魂を受け継いだような気がして、宝物にしている。
きょうはここまでだ。