フルートの吹き方 練習(1)

もう一回脱線しよっかな、と思ったけど、元に戻れなくなりそうだから、真面目になる。さて、大っ嫌いな「練習」について書く。みんな、朝から晩までフルート吹いてられないでしょ? だから、いかに少ない時間で効果を上げるかについて書けば、少しは役に立ててもらえるんじゃないかと・・・

きょうは「ゆっくりさらう」だ。どんな先生でも言う台詞だけど、徹底するのはかなりの自制心が必要だ。例えば、目標のテンポで99回さらって間違えて、100回目に間違いなく吹けるようになった。じゃあ101回目はどうなのか? たぶん、間違えるよな。賭けようか? すごくゆっくりのテンポから間違えずに吹いてきて、100回目に目標のテンポで吹けるようになった。これなら、たぶん、101回目もOKだ。これは、単に「ゆっくりから」というだけでなく、「練習の時から間違えるな!」ということを言っている。正しく吹けた回数-間違った回数が、プラスじゃなきゃ練習したことにならない・・・としたら、間違えたら損だろ?

で、メトロノームを持ってくる。でもテキトウにテンポを設定しちゃだめよ。「初見でも間違えずに吹けるテンポ」あらかじめ知っておくといいだろうね。初・中級者だと40~60に音符ふたつ、上級者で80位かな。遅いだろ?それでいいんだ、そんなところで見栄張ってもしょうがないから。それで最後まで吹いてみる。退屈だけど、真面目に吹けよ。音楽的にだ。途中、難しそうなところを鉛筆で囲む。あの、楽譜に書きこむのは絶対鉛筆な。昔はレッスンに鉛筆持ってないと、先生にブッ飛ばされたもんだ。俺、気が弱いから教室に沢山用意してるけど。シャーペンもだめだ。出来れば2Bくらいで、3カ月は削ってないだろうな、位なのがベストだ。臨時記号読み損なって、次回も間違えそうだったら、すぐに記号を書き込む、でっかくな。よく楽譜の記号と同じくらいの大きさで書き込んでる人居るけど、折角見つけた”怪しいポイント”だから、これ見よがしに書いといたほうがいい。後で消す必要が出たときも、消しやすい。同じフレーズや、再現部があったらこれも分かるようにしておこう。同じフレーズを二度さらうと時間がもったいない。だから、こういうときは差分を取っておくようにする。そう、書き込んどくんだ、分かれ道を。一回目で、これをやっておく。遅いテンポなら余裕ができるから、吹きながら音の出し方や、姿勢もチェックできるはずだ。これで練習の半分は終了だ。一日目はこれだけで終わりにしようぜ。後は楽なもんよ、少しずつ速くしていきゃいいんだから。最初は時間がかかるけど日を追うに従って飛躍的に吹けるようになる。メトロノーム、最近はほとんどデジタルだから、テンポが1ずつ変わるけど、40から60までは2刻み、60から72までは3刻み、72から120までは4刻み、120から144までは6刻み144から208までが8刻みだ。1ずつ上げていってもいいけど、気が狂うぞ。もちろん速くなったら、半分にして音符4つにして続行な。難しかったら、スラーは全部無しだ。でも、付けるんだったら正確に読む習慣をつけようね。これ、いい加減に読む癖付けると、後で苦労するよ。

あ、思い出した。習いたてのころ、師匠のK氏はメトロノームかけて俺に練習させて、隣の部屋で飯食ってたな。分からんだろうと思って、メトロノームぐぐっと速くしてやったら、隣の部屋から罵声が飛んできた。曲は「ベニスの謝肉祭」だった。

ある程度テンポが上がってきたら、「どれくらい速く吹けるようになったかなぁ?」って、悪魔が囁く。絶対、我慢だ。

ところで体操選手って、どういう練習してんだろ? いいよな俺たちは、間違えたって首の骨折る事は無いもん。

きょうはここまでだ。