フルートの吹き方 良い音を出すには・・・(1)

フルートのどんな音が良い音かを説明することは、なかなか難しい。
明るい音、澄んだ音、柔らかい音・・・・しかし、それだけか?それでいいのか?と、問い直すと、たとえもっと言葉を加えたとしても、満足は得られないのね。これは人間と同じで、「理想の男性像は?」なんて聞かれて(おバカな質問だと思うけど)、そりゃ口で、「明るい人! 元気な人! 優しい人!」なんて、無邪気に答えたところで、実際そんな男がいたら、「つまんないヤツ!」って言われちゃうに決まってる。
ま、しかし悪くてダメな方は割とはっきりしてるかな。雑音のある音(清潔感のないヤツ)、不安定な音(信用できないヤツ)、つぶれた音(嫌味なヤツ)、みたいにね。でも、心配はいらない。そんな男はゴロゴロいるし、それでも彼女だっているんだから。

で、これから何回かに分けて、フルートで良い音を出すコツを伝授する。1回で書いてもいいけど、企業秘密でもったいないので、小出しにする。まず、これができたら間違いなく良い音が出ると断言する。あなたが吹くのだから、あなたにとっての、これ以上もない良い音が出ることを保証する。決して世界一の音とは言わないよ。世界一の人間なんて居ないんだからさ。
もしこれで、満足できなかったら、フルートを替えるか、あなたの口を替えるしかない。逆にいえば、これを完遂するまで、フルートは替える必要なし!と言いたい。楽器のせいにして、次から次へと歌口を替えてはいかんよ。ええ、人間と同じですから・・・人のせいにして、次から次へと彼○を替えちゃいけません。

長い前置だが、中身は単純。たったひとつ。
「息のエネルギーを最大の効率で音に変える。」
これだけ。なんだ、それ!怪しいな!と思った? ま、いいよ思っても。そのうち驚くから。
次回から、この詳しい内容を説明していく。さらに、練習法までご紹介する。

これだけは、憶えておいてくれ。
息のエネルギーを最大の効率で音に変える!

きょうはここまでだ。

私がこの記事を書いたよ!

raffael

■岩村 隆二 プロフィール フルート奏者。14歳よりフルートを始める。川崎優氏、金昌国氏、斉藤賀雄氏に師事。東京学藝大学附属高等学校卒業。東京藝術大学音楽学部器楽科において、小泉剛氏、吉田雅夫氏に師事。1977年同大学を卒業。同年渡独。南ドイツでの演奏会で高評を得たのち、西ドイツ国立ベルリン芸術大学に入学。ハンス・ペーター・シュミッツ博士のもとで研鑽を積む。在学中よりベルリン市立ツェーレンドルフ音楽学校講師、シンフォニー・オーケストラ・ベルリン首席フルート奏者を務め1983年帰国。フィルハーモニアTOKYO首席フルート奏者、および同事務局長。東京室内管弦楽団フルート奏者、同事務局企画制作室を経て1996年4月、音楽事務所カピート設立。「もっと熱く!」をテーマにフルート奏者としての独自の世界を切り拓くべく活動を開始する。中でも自主公演「カピートライブ」は毎回高い評価を得ており、公演は11回を数えている。現在、デュオ・ブリリアント(フルートとハープのデュオ)、バロック!バロック!バロック!(フルート、チェンバロ、チェロ)、スーパーバロック(フルート、チェンバロ、チェロ)、クラシカル・ジャズ・ヴィルトーゾ(フルート、ピアノ、ベース、ドラムス)、ウッドウインドリース(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン)などのアンサンブルを主宰。そのほかに、フルート1本だけの音楽会フルートアローンも高評を得ている。柔らかく明るい音色と力強い演奏が特徴である。

トップへ