持ち方ですべてが決まる(2)

訂正:前回の記事中、人差し指の第1関節と第2関節とあるのは、正しくは第2関節と第3関節です。お詫びして訂正します。
 
3点支持にしろ、4点支持にしろ、この回転しようとするフルートを、どうやってなだめるかの説明をすることが出来ない。単に、重さのかかる点を3点ないし4点挙げただけに過ぎないからだ。そして、どちらもリッププレートを顎や下唇で支えろ、としているのは、この回転しようとするフルートを顎の皮膚と広いリッププレートの摩擦によってなだめようとしているからだ。だから、汗をかくと滑るとか、滑るならリッププレートに切手を貼ると良いとかの、あまりお勧めできないTipsがまかり通ることになる。
 では、どうやって回転を止めるかについて解説していこう。ポイントは右手の親指だ。この親指の形が何よりも重要だ。ここで正しい形を保つことさえ守れれば、もう問題は解決するはずだ。まず、右手の人差し指と親指で、力を抜いて自然にきれいな◯を作ってみよう。この時、人差し指の先端は親指のどこに接している?親指の腹じゃないよな?この人差し指と親指の接点でフルートを挟む形で持てればいいんだが、それだと親指のかなり先端がフルートと接してしまうので、それよりはやや関節に近い方、

この人差し指と親指の接点でフルートを挟む形で持てればいいんだが、それだと親指のかなり先端がフルートと接してしまうので、親指は、やや関節よりの部分で支えると良い。

この青色のあたりでフルートを持つ。この部分は押してみるとよく分かるが、うまい具合に凹んでいるはずだ。

親指を爪の方から見たレントゲン写真だ。爪と第1関節の間の骨には、窪みがある。(赤線部分)

こんな感じだ。

前から見るとこうだ。

よくない例。親指をフルートの縦軸方向に寝かせて、腹で支えている。これだと写真のように3.4.5.の指がキイから遠く離れてしまう。この持ち方をしているひとが、結構多い。

これもよくない。親指を回転させて腹で支えている。やってみればわかるが、3.4.5.はキイから遠く離れ、力が入ってしまう。

で、本題なんだが、どうやってフルートの回転を止めて、なだめて、フルートと仲良くなるかだ。右手の手首を少しだけ上に持ち上げてみてくれ。どうだろう、フルートを支えている親指に角度がついてフルートがおとなしくなるんじゃないか?
超厳密に言えば、これだって親指とフルートの摩擦で回転を止めているわけだが、関節の盛り上がった部分がうまくブロックしてくれるので、フルートは抜群に安定するはずだ。慣れないうちは少し親指の爪の脇が痛むかもしれないが、豆ができるほどではないだろう。そして、できれば親指は外側に反らせずに、内側に(自然に)やや曲がっていたほうが、手の甲に力が入らないはずだ。どうか、騙されたと思って試してみてくれ。

今日はここまでだ。   写真・・・汚い手で済まんな。

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