上達の秘訣(8)
持ち方ですべてが決まる(1)
以前にも書いたことだが、もう一度整理して書いてみようと思う。よく3点支持とか4点支持とか言っているけど、 何言ってんだか、解っているのかねぇ。まずは、言い分を整理しておこう。
3点支持というのはこうだ。
①右手の親指の先端でフルートの側面を向こう側に押す。
②左手の人差し指の第1関節と第2関節の間でフルートをこちら側へ押す。
③顎または下唇で歌口を向こうへ押す。
4点支持というのはこうだ。
①右手の小指でEsキイを上から下へ押す。
②右手の親指でフルートの下部を支える。
③左手の人差し指の第1関節と第2関節の間でフルートを下から上へ持ち上げる。
④顎または下唇で歌口を上から抑えるように支える。
フルートの持ち方という立派な記事を目にするけど、指や顎のことを書いてはいるけど、どの部分でどちらの方向に支えるかということまで書いている記事は少ない。3点なら三脚、4点なら椅子・テーブルみたいな、なんとなく安定するだろうぐらいの考えで説として唱えるのはあまりに乱暴だろう。上記のように、力の加わる方向を示さなければ、なぜそれで楽器が安定して持てるのかの説明にはならない。
だがしかし、上記の説で、どんなに力学的に正しい持ち方が出来たとしても、フルートの持ち方の難しさはそんなことでは解決しない。フルートを少しでも吹いたことのある人なら直ぐにわかる事だが、フルートは常に手前に回転しようとしているのである。たくさんのポストやキイが手前の上になるので、常に内側に回ってこようとする。フルートを持って何より難しいのは左右のバランスなんかではなくて、回転しようとするフルートをどうなだめてやるかなのだ。回転をどうやって止めるのかがフルートを安定して持つための最大の要点だ。
さらに、顎ないしは下唇を、楽器を支えるポイントとする事に支障はないのかについても考える必要があるだろう。唇というのはフルートの音を作る最重要器官だ。それは上唇だけではなく両唇によって作られるべきもので、どちらも自由にコントロールされなければならない。顎だって、重要な働きをする。フルートを持つときの支点なんぞには使いたくないだろう。
正しい持ち方をしていれば、指の形も動きも自然に保っていられるだろうし、柔軟な唇の変化は、新たな素晴らしい音の発見にもつながるだろう。次回から詳しく説明していく。極秘保存版だ。
フルートの持ち方の秘訣、まとめると次の2点だ。
①フルートの回転を止める
②顎や唇でフルートを支えない
今日はここまでだ。 楽しみにしていてね。
訂正:上記の中で、人差し指の第1関節と第2関節とあるのは、正しくは、第2関節と第3関節です。お詫びして訂正します。
2025年6月4日
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