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眺め

■楽器全体が湾曲してしまうような大きなへこみがある

対処
要修理 ほとんどの場合、修理は可能ですが、楽器のグレード、材質などによっては買い換えの方が安くつく場合もあります。
アドヴァイス
ベッドや椅子の上に置いておいて、誰かが座っちゃったなんて事件の時に起こります。置く場所には普段から細心の注意を。できちゃったことはしょうがないので、気分までへこまないようにね。

■へこみによって機械部分に影響があると思われる・・キイが上がらない、下がらない、塞がらない

要修理 厄介な修理なので見積もりを取りましょう。買い換えの方が安くつく場合もあります。
対処
要修理 厄介な修理なので見積もりを取りましょう。買い換えの方が安くつく場合もあります。
アドヴァイス
ベッドや椅子の上に置いておいて、誰かが座っちゃったなんて事件の時に起こります。置く場所には普段から細心の注意を。できちゃったことはしょうがないので、気分までへこまないようにね。

軽く振ってみる

■異音、かちゃかちゃ音がする

■異音、かちゃかちゃ音がする。
対処1
頭部管から:ヘッドスクリューのゆるみ又は内部のヘッドコルク部分のゆるみが考えられます。各項を参照してください。自分で調整可能です。
アドヴァイス
難しい!と思ったら修理屋さんに任せましょう。決して無理をしないこと。修理屋さんなら簡単な仕事です。
対処2
胴・足部管から:場所を特定できたら、キイの項を参照してください。特定できないほどあちこちから異音がする場合は、とても古い楽器でガタガタの楽器といえるかもしれません。この場合はオーバーホールが必要でしょう。
アドヴァイス
どんな場合でも「イヤな音」に敏感でいることは大切なことです。オーバーホールにかかる費用は中古の安いフルートと殆ど変わらないので、専門家に相談しましょう。

頭部管

ヘッドスクリュー

■振るとかちゃかちゃ音がする

対処(簡単なメンテナンスの頁参照) ヘッドスクリューが緩んでいる場合は、反射板が動かないように注意して、カチャカチャ音がしなくなるまで時計方向にスクリューを回す。ヘッドスクリューが固定しているのに、中からカチャカチャ音がする場合は、ヘッドコルクを検査します。(次項)
アドヴァイス
頭部管を拭くときにチェックしましょう。拭くときに不用意にヘッドスクリューを廻してしまわないように注意しましょう

■反射板の位置がずれている

対処 (簡単なメンテナンスの頁参照)調整方法はこちら。
アドヴァイス
反射板がずれていると、一定の音が鳴りにくくなったり、音程が狂ったりします。こまめに点検して、自分で調整しましょう。

■ヘッドコルクの検査

対処 
(簡単なメンテナンスの頁参照) 調整方法はこちら。コルクの劣化が激しいときはコルクを交換。要修理。
アドヴァイス
反射板を調整してもすぐに狂ってしまう場合は、ヘッドコルクが古く、小さくなっている場合が多い。喫煙者は要注意。反射板にヤニが溜まっているぞ。

歌口

■汚れ

対処 
綿棒に水を付けてよく拭きましょう。(簡単なメンテナンスの頁参照)アドヴァイス口紅は要注意です。特にカドに溜まって固まっていることがあります。美女の楽器を見て、幻滅。普段から拭く習慣をつけておきましょうね。

ジョイント部分

■汚れ。胴体に挿すときにギシギシ、またはジャリジャリする

対処 
水でよく拭く。ジョイント部だけ金属磨きをごくわずか付けて磨く。やりすぎは禁。(簡単なメンテナンスの頁参照)
アドヴァイス
ジョイント部が傷だらけだったら、ゴミを挟んで抜き差しした証拠。気を付けようね。

■緩すぎる

対処 
要修理 応急的には、薄い紙を必要なだけ頭部管と一緒に胴体に挿す。ただし、多すぎて抜けなくならないように。
アドヴァイス
頭部管だけを持つと胴・足部管が下に落ちるほど緩いのは論外。頭部管がガタガタ動くような時や吹いている途中やふとした拍子に回ってしまう時は要修理。

■固すぎる

■固すぎる
対処
まずよく拭いてみましょう。金属磨きでジョイント部分だけ軽く拭いてみる。それでも固いときは要修理。ロウや油の使用は厳禁。
アドヴァイス
胴部管の内側のジョイント部もよく拭いてください。これも普段からの習慣になるように。

■隙間がある。長く吹いているとジョイント部から水が出てくる。

対処
頭部管のゆがみによって、胴部管との接触面が少なくなっている場合があります。要修理。
アドヴァイス
ジョイント部は結構大切です。デリケートな部分なのでぶつけないようにね。

■先端が内側に湾曲

対処
要修理。これを修理すると、鳴りが劇的に改善される場合がある。
アドヴァイス
頭部管を胴体に挿すときには、まず真っ直ぐ挿して、廻しながらさらに挿していくこと。

胴・足部管

ジョイント部分

■緩い、固い

対処
頭部管の項と同じ。極端な場合は要修理。
アドヴァイス
本番中に足部管を落っことした人を見たことがあります。笑えない。

ポスト・芯金

■芯金の突出:楽器に縦に沿って走っているパイプの中にあるのが芯金。ポストにねじで止められています。これが飛び出していてはいけません。

■芯金の突出:楽器に縦に沿って走っているパイプの中にあるのが芯金。ポストにねじで止められています。これが飛び出していてはいけません。
対処
自分で修理 全体で6~8カ所チェックする場所があります。飛び出していたら、小さなマイナスドライバで軽く止まるまで締める。強すぎないこと。
アドヴァイス
軽く締めた状態で、キイが動かなくなる楽器が廉価品にたまに見られます。しょうがないので、キイが動き始めるポイントまでねじを緩めてやります。確かな調整のできない良くない楽器です。

バネとバネかけ

■バネが柔らかすぎる:キイの上がりに力がない。キイを押した時にへにゃっとした感じがある。ただしキイの上がりが遅い場合は、芯金とパイプの間にゴミや、劣化した油が入っていることがありますが、このような場合はバネをいじってはいけません、要修理です

対処
分解が必要。要調整(簡単なメンテナンスの頁参照)
アドヴァイス
バネの力は好みによって若干の調整余地があります。全部のキイが同じ強さで感じられるのが理想ですが、連携の多いキイは若干重めになります。

■バネが固すぎる:指に力を入れないとキイを押せないとき。力を入れないで楽器を保持して指を動かしているのに、指が疲れてしまう時。

対処
分解が必要。要調整(簡単なメンテナンスの頁参照)
アドヴァイス
初心者は、右手の小指に力がないので、この部分のキイを少し軽くして、持ち方の悪い癖を防ぐこともあります。

■バネがはずれている:キイが上がらない。キイが塞がっていてくれない。キイがパタパタ、ひらひらと動いてしまう。

対処
場所によっては分解が必要。ほとんど自分で直せる。問題のキイを動かして観察してみてください。バネとバネかけを見つけられるはずです。(簡単なメンテナンスの頁参照)
アドヴァイス
器用な人ならマイナスドライバの先でもできますが、切れ込みのついた専用のバネかけがあると便利です。良い楽器は滅多にはずれません。ちょっとした弾み、こつんとやっただけで外れることがあります。

■バネが折れている:上記と同じ症状だが、バネが見あたらない。バネがバネかけまで届かない。

対処
要修理
アドヴァイス
バネの材質によっては、折れることがあります。昔は応急に縫い針で作ったこともありました。本番などで折れてしまったら・・・ぞっとしますが、輪ゴムで応急処置ができます。

キイの開き

■キイの開きが一定でない:他のキイと比較して開きが大きすぎる場合、小さすぎる場合。

対処
要修理 キイの足部分のフェルト片が取れている場合、連携がうまく調整されていない場合などがある。落ちたフェルト編はボンドで接着、ただし、瞬間接着剤は厳禁。フェルトにしみこんで、固くなってしまう。
アドヴァイス
キイの開きはメーカによって違いますが、カバードキイで3.2~3.5mm、リングキイで3.0~3.2mmです。

キイの連携

■連携しているキイ全部が等しく塞がらない。連携に「あそび」がある

対処
要修理 上項を参照。油の差しすぎによる、連携調整紙の脱落が原因である場合がある。
アドヴァイス
狂いの出やすい部分です。シb、ラ、ソ、ファ#、ファ、最低音のドなどが鳴りにくかったら連携の不備が考えられます。

キイの動き

■キイの動きがなめらかでない。

対処
パイプと芯金のゴミなどによる詰まり、油の差しすぎ、バネの問題、摩耗によるガタ、など原因が多くあるので、専門家による診断が必要。要修理。
アドヴァイス
最も多く見られる症状です。演奏していて不具合がはっきりわかるので、発見は容易ですが、修理は厄介です。修理屋さんに任せましょう。

キイからの異音

■キイを動かすとカチャカチャと乾いた音がする

対処
油の不足は、異音だけでなく、楽器の機械部分の摩耗を促し、調整不能にもなることがあります。一方油の差しすぎにも、多くの害があります。
アドヴァイス
よく吹く人で1~2ヶ月に1回。半年に1回は注油をしよう。ただし、やりすぎは厳禁。注油の作業自体は簡単なものですが、差してはいけない場所もあるので、慣れないうちは専門家に任せましょう。

タンポ

■キイが塞がらない、音が出ない、ぎゅっと押さえないと音が出ない:キイにはタンポといわれるフェルトをタンポスキンでくるんだものがついていて、これで音穴を塞ぎます。ほんの僅かの隙間も許されません。そのキイ以下の音は、確実に出にくくなります。目視で確認できるような大きな隙間などは論外

対処
1年に1回は不具合が感じられなくても調整に出しましょう。良く吹く人なら5~8年に1回はオーバーホールを。タンポ調整はシビアな仕事で、専門家、特に熟練した修理屋さんに任せるのがベスト。調整技術の中心であり、技術に大きな差が出ます。
アドヴァイス
フルートという楽器は、管楽器の中で最も調整の難しい楽器です。タンポの狂いは、徐々に出てくるので、気がつかないうちに無理をして吹くようになってしまいますから注意が必要です。長い間吹かないでいた楽器は、保存管理をよほどしっかりしていない限り、相当の狂いが出ていると思ってください。

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