フルートの吹き方 装飾(9)

終止形について書いてきたので、もう少し我慢してくれ。装飾というより、「歌い方」って言ったほうがいいような気がするけど、「歌い方」なんて、言葉にしたらあっという間に色褪せるだろうし、第一「余計なお世話」だ。だって、喜び方や泣き方を教えるようなもんだろ? 怒られ方とか、喧嘩の仕方とかはあるけどな。

ヘンデルのソナタで示したように、18世紀の音楽は、幾つかの終止形の集合体だ。この終止がどんな形をしており、どんな気配を持ち、どんな感情をもたらすかを意識しておくことは、演奏の基本と言っていい。まず完全終止。ある音階の5度の和音から主和音に解決するのだが、この5度の和音に先行して四六の和音(主和音の第二転回型=ドミソ→ミソド→ソドミで、ドミソの和音のソがバスに来る和音)が用いられることが多い。譜例を挙げる。

当たり前の形だ。で、例えば協奏曲では、この四六の和音でオーケストラが演奏を止め、独奏者のカデンツァに入る。つまり、カデンツァ部分全体は5度の和音の代理とみなす。だからカデンツァの終結部分はドミナントのトリルで終わるのが普通だ。いうまでもなく、カデンツァ後のオーケストラは主和音から始まる。ここで、モーツァルトのフルート協奏曲第1番ト長調第3楽章164小節目を見てみよう。フェルマータが付いているところだ。

ここは、譜例に示すように四六の和音ではない。(ドミナント)。だから、ここはカデンツァではなくアインガングと呼ばれる。即興的なパッセージが挿入されるが、短く、和声的にもドミナントから出ないほうが良い。参考までに、フルート協奏曲第2番ニ長調の第3楽章カデンツァ部分を挙げておく。

完全に四六の和音、カデンツァだ。これ、確かPeter版だったかな、ピアノ伴奏譜が間違っていたと記憶している。今、手元に無いので確認してから書く。

シュミッツ博士のクラスでは、カデンツァは自前のものを書かされた。苦労したな。博士の教則本にも出てるんだが、そんなの持ってったら、どえらい目に合うし。「どこかで聴いたみたいだな」って思うと、それ以上先へ進めない。今なら、気楽に「ナントカ風」見たいのが書けるような気がするけど・・・

書こうと思ってたのと全く違う話になっちまったぜ。あはは、今日は悪い夢見そうだ・・・

きようはここまでだ。

 

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