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フルートの吹き方 練習(1)

もう一回脱線しよっかな、と思ったけど、元に戻れなくなりそうだから、真面目になる。さて、大っ嫌いな「練習」について書く。みんな、朝から晩までフルート吹いてられないでしょ? だから、いかに少ない時間で効果を上げるかについて書けば、少しは役に立ててもらえるんじゃないかと・・・

きょうは「ゆっくりさらう」だ。どんな先生でも言う台詞だけど、徹底するのはかなりの自制心が必要だ。例えば、目標のテンポで99回さらって間違えて、100回目に間違いなく吹けるようになった。じゃあ101回目はどうなのか? たぶん、間違えるよな。賭けようか? すごくゆっくりのテンポから間違えずに吹いてきて、100回目に目標のテンポで吹けるようになった。これなら、たぶん、101回目もOKだ。これは、単に「ゆっくりから」というだけでなく、「練習の時から間違えるな!」ということを言っている。正しく吹けた回数-間違った回数が、プラスじゃなきゃ練習したことにならない・・・としたら、間違えたら損だろ?

で、メトロノームを持ってくる。でもテキトウにテンポを設定しちゃだめよ。「初見でも間違えずに吹けるテンポ」あらかじめ知っておくといいだろうね。初・中級者だと40~60に音符ふたつ、上級者で80位かな。遅いだろ?それでいいんだ、そんなところで見栄張ってもしょうがないから。それで最後まで吹いてみる。退屈だけど、真面目に吹けよ。音楽的にだ。途中、難しそうなところを鉛筆で囲む。あの、楽譜に書きこむのは絶対鉛筆な。昔はレッスンに鉛筆持ってないと、先生にブッ飛ばされたもんだ。俺、気が弱いから教室に沢山用意してるけど。シャーペンもだめだ。出来れば2Bくらいで、3カ月は削ってないだろうな、位なのがベストだ。臨時記号読み損なって、次回も間違えそうだったら、すぐに記号を書き込む、でっかくな。よく楽譜の記号と同じくらいの大きさで書き込んでる人居るけど、折角見つけた”怪しいポイント”だから、これ見よがしに書いといたほうがいい。後で消す必要が出たときも、消しやすい。同じフレーズや、再現部があったらこれも分かるようにしておこう。同じフレーズを二度さらうと時間がもったいない。だから、こういうときは差分を取っておくようにする。そう、書き込んどくんだ、分かれ道を。一回目で、これをやっておく。遅いテンポなら余裕ができるから、吹きながら音の出し方や、姿勢もチェックできるはずだ。これで練習の半分は終了だ。一日目はこれだけで終わりにしようぜ。後は楽なもんよ、少しずつ速くしていきゃいいんだから。最初は時間がかかるけど日を追うに従って飛躍的に吹けるようになる。メトロノーム、最近はほとんどデジタルだから、テンポが1ずつ変わるけど、40から60までは2刻み、60から72までは3刻み、72から120までは4刻み、120から144までは6刻み144から208までが8刻みだ。1ずつ上げていってもいいけど、気が狂うぞ。もちろん速くなったら、半分にして音符4つにして続行な。難しかったら、スラーは全部無しだ。でも、付けるんだったら正確に読む習慣をつけようね。これ、いい加減に読む癖付けると、後で苦労するよ。

あ、思い出した。習いたてのころ、師匠のK氏はメトロノームかけて俺に練習させて、隣の部屋で飯食ってたな。分からんだろうと思って、メトロノームぐぐっと速くしてやったら、隣の部屋から罵声が飛んできた。曲は「ベニスの謝肉祭」だった。

ある程度テンポが上がってきたら、「どれくらい速く吹けるようになったかなぁ?」って、悪魔が囁く。絶対、我慢だ。

ところで体操選手って、どういう練習してんだろ? いいよな俺たちは、間違えたって首の骨折る事は無いもん。

きょうはここまでだ。

フルートの吹き方 練習(2)

まあ、どれだけ丁寧にさらっても、ふと、できない所が出現したりする。そんなとき、メトロノームをセットするのも面倒くさいってこともある。そんな人のために、あるいは、メトロノーム忘れたとか、そんなもの持ってないとか、見たこともないっていう人のために、必殺の練習法を公開する。あ、私、「常に面倒くさいと考える人」の味方だから。単に「面倒臭い人」は、勘弁な。

例えば、こんなところで急に指がもつれちゃったとしようか。3オクターブ目のFis(ファ♯)~ Gis(ソ♯)あたり、嫌だよな。

そういう時は、まずよろしくない音を特定して、3つか4つ抽出する。今回はこれを抽出。

 

これを、このように練習する。フルートの吹き方 癖(4)でチラッと触れたやり方だ。

一息で続くだけ繰り返すんだが、最初はゆっくり、だんだん速くしていって、まただんだんゆっくりにして最初のテンポに戻る。速いと言っても、あくまでもコントロールの効いている速さだ。べらぼうに早く吹く必要はないぞ。そして、きちんと真ん中で折り返し、前後のサイズが同じになるようにする。ま、2~3回やってみ。それで、譜面通りに吹いてみる。あらら、不思議!! ちゃんと吹ける!!! ほんとだって。

アルテの2巻くらいになると、やたらと替え指を使えと言ってくる。余計なお世話だ。運指を簡単にする替え指は、使わない方がいい。絶対に音が汚くなるから。トリルの運指はしょうがないんだが、それでもトリルの最初の1回はできれば正しい運指で始めたい。それに引きかえ、音程を修正するための替え指は、使ってもよいと思う。

特に3オクターブ目のフォルテで音程を下げる替え指と、ピアノで音程を上げて尚且つ発音をよくする替え指はアリだ。オケでは必須だ。いずれ、書こうと思っている。

特にFis(ファ♯)で中指を使うのは、絶対にトリルだけと決めておこうぜ。右手の小指を離すのは、1,2オクターブのD(レ)と3オクターブ目のH(シ)B(シ♭)、そして4オクターブ目の音だけだ。3オクターブ目のH(シ)B(シ♭)は、右小指を離さないと音程が低くなってしまう。

2オクターブ目のD(レ)Dis(レ♯)では、必ず左手の人差し指は離す、3オクターブ目のGis(ソ♯)もだ。

ついでに言っておくが、2オクターブ目のD(レ)-E(ミ)と、Dis(レ♯)-E(ミ)のトリルは、左手の人差し指を離していると、E(ミ)がバカみたいな音になってしまうから、最初の一回目に閉じて、次の瞬間0.1ミリ開けてやるんだ。完璧なトリルになる。

きょうはここまでだ。

フルートの吹き方 練習(3)

フルートの練習を始めてしまうと、他のことはできない。普通は。学生時代に、金管の連中が漫画やエ〇雑誌を譜面台に置いて練習してるのよく目撃した。「簡単な楽器なんだな」と。そういえば、昔、ある有名なバイオリニスト女史が、何をトチ狂ったか雑誌のヌ〇ドグラビアに御成りになりまして、オケの練習の最中に、たぶん金管方面から回ってきた。椅子から転げ落ちる者、トイレに駆け込む者、吐いて譜面台を汚す者、大混乱となりました。

まじめにやるぞ。で、他のことをやっていても、フルートの為になる練習がある。まず、薬指。バカ息子のように、言う事を聞かない薬指。ピアニストに教わったやり方。手の力を抜いて、机の上にピアノを弾く時のようにそっと置く。最初は手首も机に付いていて良い。5本の指が軽く机に付いている状態から、薬指だけを1センチくらい持ち上げてやる。力を入れるなよ、他の指も動かないように。それだけ。慣れてきたら、リズミカルに、そして手首を上げてやってみよう。仕事しながらでも出来る。説教聞きながらでもできる。電車の中でもできる。ピアニストは、黒鍵に薬指を届かせなきゃならんので、薬指の前に消しゴム置いて、そこに指を乗っける練習してた。

次。犬の真似だ。暑いとき、犬がハァ、ハァって息してるだろ。あれの真似だ。深い呼吸でなくていいから、リズミカルに、何分も続けられるようにやる。喉や胸の力を完全に抜こう。舌は出さんでいいぞ、犬になりたいわけじゃないから。これは、説教聞きながらはやらんほうがいいだろうな。電車の中も止めとけ。そうだ、ついでに。どうせなら、犬の眼の練習をしてみようか。これ、出来たら、世の中ほぼ自分の思い通りになると思う。犬の眼で見つめられて、Noと言える人は居ない。俺はできない、まだ、もう少し。

ダブルタンギングだ。tu-ku-tu-ku なぁんて書いてあるけど、ちょっと固いよな。吹き方や、音の立ち上がりにも依るんだがデ-ゲ-デ-ゲ位でいいんじゃないか。シュミッツ博士は、テに近いテュとケに近いキュ(書くと難しいが)、でやれって言ってた。それを、tktと ktk の3連符で連続して発音するんだ。小さい声でいいぞ。3連符の最初のtとkには少しアクセントをつけておいた方がいいだろう。昨日、書いた3連符の練習法と同じだ。口の力を完全に抜いて、下あごに涎がたまっていく感じだ。フルートで吹く時は、ダブルは t→k じゃなくて k→t でやるといい。難しいが、圧倒的にきれいに聴こえる。

洗面所で鏡を見たら、うっとりする前に、完全に顔の力を抜いて、いわゆるバ〇面をしてみようう。口、開いちゃう人は・・・軽~く閉じてね。さあ、その顔で吹けるように覚えておこう。1秒練習だ。

眼の練習するんで・・・

きょうはここまでだ。

フルートの吹き方 練習(4)

「基礎練習」って言葉が大嫌い。語感が、何か退屈なことを我慢してやらなきゃならんような、嫌な響きだ。サッカー部で腕立て伏せ100回とか言われている感じだ。もし頭の中で「何これ、無駄じゃん」って思ってたら、やらぬがよろし。意味が理解できていて、やってて楽しければ、それはきっと役に立つ。そこで、いわゆる「基礎練習」にはどんなものがあるのか、そしてその要点について書いてみようと思う。

まず、ロングトーンだ。誰でも言う、「ロングトーンが、音色向上の役に立つ」って。それほんとかよ? 確かに、ロングトーンをやって、音色が悪くなることは無いだろう。でも、音色の向上の、目的で練習するなら、ロングトーンよりも効果的な練習法がある。あるいは、ロングトーンよりも前にやることがある、と言ってもいい。詳しくは、前に書いた「良い音を出すには(1)~(7)」を読んで欲しい。

で、ロングトーンの本来の目的は「音のコントロール」だ。だから、クレシェンドとディミヌエンドを組み合わせたり、ビブラートの緩急を組み合わせたりする。例えばこんなやり方だ。あくまでも一例だからね。1オクターブ目のH(シ)でやる。音の出だしは雑音の全くない音で、ボリュームゼロからクレシェンド、消えるときも、ディミヌエンドしていって、雑音無しのボリュームゼロで終わる。例えばこれを、クレシェンドとディミヌエンドは同じ長さになるように。出来たらこの逆。そして、ビブラートの緩急を組み合わせてやってみる。緩-急-緩、急-緩-急と組み合わせれば、音1個で4種類のロングトーンだ。これ、ちゃんとやったらものすごく難しく、ものすごく疲れる。静かな場所と、研ぎ澄まされた神経が必要だ。ねぇ、毎回、毎回、練習の初めにベ~って伸ばしてるだけなら、そのやり方、考えたほうがいいよ。楽器があったまって、自分の吹き方になってきて、集中力が高まった、その時にやる。それも高いモチベーションの日だけやる。

ロングトーンとビブラートについては、とても重要なので、改めて項目を立てて書いていこうと思う。いずれにしても、練習は苦しくなったら止めようぜ。楽しくなかったら止めようぜ。そうすると、自分が何者かがだんだん解ってくるんだ。どんだけ、真面目で、どんだけ駄目かがね。そうしたら、工夫の余地が生まれる。そして自分だけの練習法が生み出せる。それが最強。教わった通りに、苦しい練習を5時間耐えられる奴よりも、4時間59分デートしちゃって、最後の1分反省する奴の方が俺は好きだな。いいよ、レッスンでそのデートの話聞いてやろうじゃないの。

基礎練習ってまだまだある。全部やったら3時間は必要なくらいある。少しずつご紹介しようと思う。毎日、決まったルーチンを繰り返せる人から見たら、馬鹿みたいな話ですまん。何回も練習嫌いだと宣言しているんだが、それでもやるときはやるんだよ。今まで、最高にやったのは一日14時間だ。8時間くらいやると、唇の力がうまい具合に抜けて、いい音がするんだ。楽しかったね。唇の力が抜けません!って言ってる人、イチかパチかでやってみるか?

きょうはここまでだ。

フルートの吹き方 練習(5)

きょうはちょっと変わった練習方法をご紹介。倍音を吹く練習だ。最低音のC(ド)の指で出せる倍音はこんな具合だ。

このうち、大事な倍音は第二倍音と第三倍音だ。第二倍音は2オクターブ目の音を出す時に、第3倍音は3オクターブ目の音を出す時に必要だ。高い音域は多くの場合、強く吹かれ過ぎている。こんな実験をしてみるといい。F(ファ)の指使いで、第3倍音のC(ド)を出してみよう。そのままの吹き方で、(強く吹かずに)左手の中指を上げてみよう。たぶん3オクターブ目のF(ファ)が出てくるだろう。つまり、強さはそれで十分だという事だ。次に、2オクターブ目のG(ソ)より上の音も多くの場合強く吹かれすぎている。1オクターブ目のD(レ)の指使いで第三倍音のA(ラ)を出してみよう。そのまま吹き続け、途中から指をA(ラ)の指にしてみよう。どうだろう?かなり済んだ2オクターブ目のA(ラ)が出るのではないだろうか? ただし、この時、倍音のA(ラ)と正規の指使いのA(ラ)の音程が違っている時は、吹き方がヨロシクナイか、楽器の調整、特に反射板の位置が狂っていることが考えられる。吹き方がヨロシクナイというのは、極端に低く、あるいは高く吹いていると、このような現象が起きる。

さて、そこでこんな練習を日課にすると良い。

ゆっくりでいい、音符一つが=60くらいだ。

たまに、思いついた時でいいので、倍音列(最初に挙げた譜例)を下から順にスラーをかけて吹いてみよう。アクセントが付かないように気を付けて。上は3オクターブ目のB(シ♭)位でいい。出来たら同じようにスラーで下がってくる。こっちの方が難しいはずだ。

練習の方法というのはとても大事だ。それを知っているか否かで、結果が大きく変わることがある。友達に中国人のヴァイオリニストがいる。彼に聞いた話だが、中国のあるピアノ科の学生は、コンクールに優勝した同級生の練習を、一日中ホールの客席に隠れて聴いていたそうだ。皆、そうして練習方法を盗んでいたという。うーん、中国らしいと言ってしまえばそれまでだが、結果から盗まずに、練習方法を盗むという発想、日本人には無いな。この話を聞いたとき、[盗む」という言葉に否定的なニュアンスを全く感じなかった。それよりも、彼らの繰り広げる競争に「中国恐るべし」と思ったものだ。

真面目に徹するとつまんねぇな、でも、少年少女が読むかもしれんからな・・・

きょうはここまでだ。

フルートの吹き方 練習(6)

さて、皆の大好きな指の練習だ。指の練習と書いたけど、指を速く動かす練習じゃない、そう思っていた方がいい。指なんて、日常生活に困らない程度に動いていれば、結構速く動くもんだ。不器用って言葉があるけど、私が思うに、あれ、別に指が動かないんじゃないね。神経の使いどころがよく分かってないんじゃないかなと思う。もし、特別に動かしにくい指使いがあれば、やみくもに何百回も動かそうとせずに、まずその原因を探ろう。すると多くの場合、持ち方であったり、姿勢であったり、音の出方だったりが原因であることがわかる。それらの改善ができてから、ゆっくりと、指を動かす練習をしよう。そこで行うのは、素早く動かす練習ではなくて、神経を繋げる練習だ。太極拳みたいにゆっくり動かせばいい。

どんな練習があるのだろうか? まず、音階練習だ。前にも書いたが、タファネル&ゴーベールの最初のセクションも音階練習のうちだが、私はあまり薦めない。なぜかというと、音階を理解していて、その時何調を吹いているのかが分かっていればまだしも、次々に変わる音階のために、音階・調性感覚は得にくい。冗長だし、音域が徐々に高くなっていくので、低音と高音の吹き方に一貫性が無くてもこなせてしまう。一例として、ハンス・ペーター・シュミッツ博士のクラスでやっていた音階練習を紹介しよう。

途中を省略したが、テンポと最高音は力に合わせて決めたらよいだろう。ちなみに、クラスでは4オクターブ目のE(ミ)で折り返していた。テンポは最大で4分音符が108だった。これはかなり速い。最初は、最高音を4オクターブ目のC(ド)八分音符を60位で十分だ。これを、各々の調で(スタート音はその調の主音)以下に掲げる9種類のアーティキュレーションで行う。

シュミッツ博士のクラスは隔週土曜日がテクニックのグループレッスン(4名くらい)だった。この時、この音階練習を1小節ずつ交代で輪のように回していく。この1小節ずつ交代するというのは、一人でやるより効果的だ。音程も合わせなければならないし、前者のタイミングで出なければならない。自分の癖を知ることにもなるので、一人で全部やるより効果的だ。仲間と、あるいは先生とやるのが効果的だろう。アーティキュレーションを変えるのはとても良い効果を生む。スラーや、スタカートが単なる記号としてではなく、言葉におけるニュアンスのように身に着く。譜面を読むときに、スラーやスタカートを正確に読むことに繋がるし、表現として理解できるようになる。

昔知り合ったフルート吹きは、若い頃指に鉄の輪っかをはめて練習したそうな。指でフルート潰そうと思ったんかいな? で、結局、腱鞘炎になった。こんなおバカはしちゃダメよ。考えるだけでもア〇だから。たしか、「なんチャラの星」に、大リーグ養成ギブスというのがあったな。ほんとは、ギブスって石膏のことだから。それ、固めちゃうだけだし、正確な発音はギプスだ。あ、思い出した。師匠のK師は大のタイガースファンで、当時ジャイアンツファンだった中学生の俺を、「頭が悪い」といつも罵っておった。悔しかったなぁ。その後、何十年か、十何年か経って、ジャイアンツファンは止めたが、タイガースファンになる事は無かったな。トラウマだな。これがトラウマの語源だ。

きょうはここまでだ。

フルートの吹き方 練習(7)

テクニックの練習を調性のあるものと無いものに分けると、昨日の音階練習に加えて、アルペジオの練習が挙げられる。各調の主和音と属七をやっておけばま、殆どの和音に対応できる。減七のアルペジオについては、先に述べたのでここでは省略するCdur(ハ長調)とDdur(ニ長調)を例にとって譜例を示す。最低音はC(ド)最高音は4オクターブ目のC(ド)としておく。

これを、スラーとスタカートで練習する。連桁の区切りに注意だ。3つ取り、4つ取りで双方を練習するといい。最初は大変かもしれないが、パターンを覚えてしまうと楽にできるようになる。これ、暗譜しちゃった方が早いよ。これも、太極拳のようにゆっくりだ。

続いて属七だ。面倒臭いから、Ddur(ニ長調)省略するぞ。上の譜例と同じように考えればいい。

余談だけど、譜面書くのもとても大事なお勉強だと思う。最近は、コピー機でいとも簡単にコピーができる。音大生といえども写譜なんてしたこと無いと思う。写譜ペンだって今、売っているのかいないのか。鉛筆の方が綺麗に書けるけど。コピー出来るから、楽譜を大切にしない。たまに書くと、下手糞で読めない。めくりを工夫しなきゃならない時、数小節書き写せばいい時でも、1ページ丸々コピーして、残りをあっさりと捨ててしまう。ベルリンにいた頃古道具屋で、あるフルーティストが残した手書きの「オーケストラスタディ」(オーケストラ曲の、難しい部分だけを抜き書きしたもの)を手に入れた。2マルク、200円くらいだった。100ページ以上あって、それぞれの断片の後に、それを演奏した日付が入っている。名もないフルート奏者だが、その魂を受け継いだような気がして、宝物にしている。

きょうはここまでだ。

 

フルートの吹き方 練習(8)

調性の無いテクニック練習の筆頭は半音階。これ、やっていると何でもなくできるが、やってないと情けないくらいできない。練習自体は面白いと思うんだが・・・フルート初めて持った中学生の頃、遊びでこればっかやってた。音楽というより、機械いじりのように面白かったからだと思う。いつも「音楽」、「音楽」なんて言っているけど、男の子にはこういったアプローチも有りなのかなと、ジジイは思う。

機械いじりと思えば、譜面なんかいらないよな。好きにやればいい、アイデアもどんどん出てくるはずだ。ま、例としてふたつ挙げておこうかな。上は単なる半音階で、楽譜が長くなるので上を3オクターブ目のC(ド)にしてあるけれど、一気に4オクターブ目まで行っちゃおうぜ。要点は、3つ取りと4つ取りを両方やっておくことだ。間違っても5つ取りとか7つ取りとか、そういう変態練習はしない。そういう趣味ならやる。3つ取りしたときの各グループの頭の音は、減七の和音になっているので、それを覚える役にも立つ。

これ、俺がガキの頃考えた半音階。こればっかやってた記憶がある。シュミッツ博士の教則本にも載っている。これも、てっぺんを適当に書いてあるが、やっぱり4オクターブ目のC(ド)までやると、「やった」感があるぞ。上記ふたつは、メトロノームを使ってもよいが、3オクターブ目から4オクターブ目にかけてはとても難しくなる。そこで、その難しいところに差し掛かるにしたがって、リタルダンドし、降りてくるにしたがってテンポを徐々に戻す、という方法が良い。コントロールを効かせるのが何よりも重要だ。この音型は、半音以外にも使える。長2度、短3度、長3度などの幅でやると、怖いものなし・・・だが。

これだけテクニックの練習があるけど、ホントにやる? 音大の学生なら、一度はやってみるべきだろうね。でも、これをやったからと言って、どんな曲でもスラスラ吹けるようになるかといいうと、そうはいかない。難しい曲は、結局、難しいところをそれなりに練習しないと吹けない。沢山書いてきたけど、言いたかったことは、タファネル&ゴーベールをなんも考えずにやっても、「時間がもったいないよ」ということ。何か問題が生じたら、あるいは自分の何かしらの欠陥に気づいたら、その時、その目的に合った練習を考えよう、という事だ。

楽譜作りに時間がかかってしまって、オチを思いつかない。
っつーか、インフルエンザのお坊ちゃまを預かっているんだが、元気で飛び回っちょる。恐怖だ。

きょうはここまでだ。

脱線 うにクレソン

偉大なるJASRAC様のみか〇め料に腹を立てていたら、ふと、「うにクレソン」を思い出した。うにクレソンというのは、今では広島名物らしいけど、20年程前は「中ちゃん」名物だった。「中ちゃん」という店が、広島のどこにあるのか今ではさっぱりわからない。タクシー捕まえて、「トルコ女子寮!」って言うと「中ちゃん」の前に着いた。

広島のホールで演奏会があった。例によって、出待ちの馬鹿話で、本番後に行く店の話をしていた。「トルコ女子寮ね!」ってのが、近くにいた舞台スタッフに聞かれて、怪訝な顔をされた。慌てて、「中ちゃん」の話をしたら、「なんで、音楽の人は皆『中ちゃん、中ちゃん』って言うんですかねぇ」って不思議がってた。

中ちゃんという店は、小さくて汚い店だった。「お世辞にも奇麗じゃなかった」って、書いてもいいんだが、それでは、かえって失礼な気がする。働いているのは中ちゃんひとりだ。行ったときは満席だったが、中ちゃんが外にビールケースで即席の席を作ってくれた。鉄板焼きの店なんだが、何でもたっぷりのバターでササッと焼いてしまう。音楽家仲間に伝わっていた絶品「うにクレソン」他を注文した。他ってのがさっぱり記憶にない。驚きは飲み物だった。「そこ行って、自分で買って来い」って言う。角を曲がった数メートル先に、ビールの自動販売機があった。

料理はどれも、とにかく美味しかった。この食事の最中に、見るからにそれ系の、ふたりの強面のお兄さんがやってきた。中ちゃんとごそごそやってる。中ちゃんが、何やらお札を数えだした。結構な金額だった。みんな固まってた。ヤの字がみ〇じめ料取っているんだろう、というのが我々の推量であったが、競馬の飲み屋かもしれないし、借金の取り立てかもしれない・・・領収書の出るような金でないことは確かだった。とても安い料金の店だったから、一日の売り上げではとても賄いきれないような金額を支払うのを目にして、中ちゃんの、不愛想で無口な理由が、「飲み物なんか出してらんねぇ」理由が分かるような気がした。

「みかじ〇料」って言葉で、ふと、思い出した「うにクレソン」。検索かけてみたら、広島名物になっているんで感動した。中ちゃんは2011年に亡くなっていた。Mixiにスレッドが立っていて、亡くなった時の様子も解った。中ちゃんは、「うにクレソン」を残して逝った。今では広島名物の「うにクレソン」だ。すごいな。

折角、中ちゃんの業績を讃えたのだから、不愉快な話に戻すのは止める。ただ、何かを残す権利もそして義務も、常に私たち音楽愛好家の側にあるんだ、とでも言っておこうかな。

きょうはここまでだ。

続番外 ♪JASRACは金持ちだ♪

JASRACは金持ちだ
金蔵建てた蔵建てた
脅してテラ銭取ってきた

JASRACは金持ちだ
金蔵建てた蔵建てた
天下りにテラ銭なめさせた

うわぁ! このブログの上品さに合わないな。 えぐいな。本来であれば、本欄では音楽とは何なのか、その中で著作権をどう捉えるべきかというような話をしたい。しかし、著作権=著作権料徴収としか考えないJASRACの見事なご活躍の前に、綺麗ごとばかりを言って居られなくなった。私をトランプにしたのは、JASRAC!お・ま・え・だ! Make Music Great Again!

JASRACに貯めこまれた金額があまりに膨大だと、大分前に問題になった。取るだけ取って、分配してないんじゃないの? と、誰もが思った。実際、無茶苦茶な課金の例も沢山出てきた。やっと、数年前に、公取がJASRACに処分を下した。「包括契約」というやり方が、新規参入を妨害しているというわけだ。(2001年、法改正により新規参入が可能になった。)しかし、ヘタレの公取は逆にJASRACに訴えられて逃走。そりゃ怒るよ、新規参入しようとしてた団体は。結局、最高裁まで行っちゃって、JASRACは敗訴だ。すったもんだの挙句、去年、JASRACの公取による排除命令は確定した。はずだ。だが、結局、ヤクザ組織が増えただけ。勇んで参加した新規参入業者も、毒酒飲まされたようだな。

そもそも、この「包括契約」とは何か。「はい、オタクの儲けのウン%がみかじめ料だから。払ってくれたら好きに商売してくれていいから」っていう契約だ。ここで、すぐに思いつくのは、「本来の著作権者への分配はどうなるの?」でしょ。これも、かなり批判されて、少しはマシになったらしいが、どんぶり勘定、分け前分配という発想に変わりはない。しかし、この問題だけでは、独禁法は関係ない。何が問題か。現場では、包括契約結べば、楽だ。手続き無しに使い放題だから。だから、JASRACに入っていない音楽家は、「面倒くさいから、使わない」になるんだな。「なに? JASRAC入ってないの? 面倒だから来なくていいよ!」って言われる。

しかしな、これが大問題なんだが、JASRACへの登録は、JASRACに著作権全部差し出しちゃうって契約なんだ。単に「著作権料徴収代行組織」と思ってたでしょ? 違う。だから、JASRACは本来の著作権者に断りなく、好き勝手に課金出来るし、理屈をつけて、取れるところから取ろうとする。ストリート・ミュージシャンからも著作権料取りたいって、音楽家なら普通思わんよな。自作自演でも、一旦JASRACに払う、抜かれて戻ってくる。は? だろ。将来の音楽家を生み出すであろう音楽教室の、「先生の演奏から著作権料取ってこい!」って考える作曲家は、おんまり居ないと思うがなぁ。でもね、JASRACに登録しちゃうと、もう発言権無いのよ。「音楽」なんか考えたこともない人たちは、「創造」っていうと、こういうの作っちゃうんだね。てっぺんが、天下りだから、下まですごいよ。私たち、彼らを喰わせるために音楽やってんじゃないから。検索かけると凄いよ、JASRACの悪行が。スナックで「泥棒!」って叫んで著作権料徴収しようとしたとか、ストリートミュージシャン数人で囲んで「払え!」って言ったとか。年間売り上げ二十数万の店に、百万円以上の著作権請求したとかね。

笑っちゃうのは、チャリティーコンサートにまで課金しようという根性だ。「社会福祉の増進、または災害等による被災者支援の目的で開催するチャリティー演奏会等でJASRAC管理作品を利用される場合、主催者が入場料収入を一定の公益目的の団体等に寄付したときは、その寄付金額に応じて使用料を減額いたします。」だって。なんだ、この超上から目線。「いくら寄付したか言いな! 安くしてやっから!」としか読めないんだが。

ま、著作権というものが認められている以上、「払わんでいい」かどうか決めるのは、偉大なJASRAC様だ。しかし、なんであんなにお金貯めこめるんだ? 天下りに高給支払って、まだ余ってて、「音楽文化の普及発展に寄与する」ために、イベント・コンサートまでやってる。

これ以上書くと、指と口が腐る。

いい曲があったら、作曲家の言い値で買ってでも演奏するんだが・・・
Make Music Great Again!
きょうはここまでだ。