フルートの吹き方 息の取り方(4)

もし、肺活量が8000位あって、なぁ~んも考えなくても、いつでも次の休止符まで吹けちゃってさ・・・そういうの、「才能」だと思うか? 羨ましいか? もし、人よりも肺活量が少なくて、息取りも人より沢山必要だ、う~ん、どうしよう? どこで取ろう? どうやって取ろう? って、いつも考えなくちゃならん・・・でもな、10年たったら、絶対、こっちの方が音楽の高みに達していていると思うな。それが「才能」だと思うよ、私は。「考える」、「解決方法を見つける」、それこそ「人間が生きる」ってことで、「音楽する」って事だから。例えば、指が回らなかったら、その理由を考える。あらゆる理由を考えるんだ。持ち方、吹き方、姿勢・・・。ついでに言っとくと、じゃ、それでも「指が回らなかった」らどうするか。答えは簡単「人の3倍さらう」だ。その覚悟を決める。覚悟決めれば楽よ。でもな、それは大変な覚悟になるはずだから、安易に決めないほうがいいな。だから、まず、とことん考えようぜ。

「音大を受験したいんですけど、一日どのくらい練習したらいいですか?」 なんて、ネットのQAサイトなんかでよく目にするけど、皆、適当だよな。「最低毎日5~6時間、部活はダメ」とか答えてるの見て、「おいおい、止めとけよ、子供いびるのは」って思うな。まぁ、質問の内容自体、「違うんじゃね?」とも思うけどさ、もし私が答えるとしたら、「1日24時間フルートの事を考えていなさい、練習は、時間があったら、好きなだけやりなさい、嫌になったら即止めなさい」だな。何を隠そう、私、昔っから練習だいっっっ嫌い。ほんとに嫌い。だから、フルート持たずに「どうやったら練習しないでうまく吹けるようになるか」ばっか、考えてるのよ、今でも。だから逆に、練習する時は「あぁ、やだな」とはあんまり思わない。ですから、皆さん!「練習しなくちゃ」という強迫観念は捨てましょう。そんなこと考えてるから「あぁ、今日も練習できなかった」とか、「時間が無い!」なんて、面白くない気持ちになるの。仕事しながら、授業中、あるいは電車の中で「今度フルートを持ったら、ああいう風に吹いてみよう」、とか「あそこはこうしてみよう」とか、考えるだけで絶対上手くなるって。

ああ、息取りね。ちょっとこんな事してみようか。ため息をついてくれ。しょっちゅうやってるから得意だろ?ため息ついた後の肺の状態を、ニュートラルの状態としておこうか。さぁ、そこからさらに息を吐いてみてくれ。結構、息、残ってるよな。どんどん吐くと、お腹に力入ってくるよな。もう吐けないってところまで吐いたら、すっとお腹の力を抜いてみようか。自然に空気入ってくるよな。そしたら、そのままの流れで一杯まで息吸おうか。はい、出来上がりよ。何式呼吸でもいいの!それができれば。そして、肝心なのは、そのニュートラルのあたりが一番呼吸のコントロールがし易いんじゃなかという事。だから、いつも目一杯吸う必要無いのよ。だいたい、息、吸う量と吐く量、同じにしとかないとそのうち死ぬよ。そういうわけで、基準は常にニュートラルの状態に置いておこうね。

で、もうひとつの息取り方法。今述べたように、次の息取りまでの息だけ吸えばいいんだから、あんまり忙しくないスタカートの連続の場合、毎回息を取るとすれば、ニュートラルの状態から音1個分の息だけ吸えばいいわけだ。そうなると、わずかの息の出し入れの技術が必要だよな、「目一杯吸って、足りなくなったらどこかで吸いましょ」の反対なんだ、実は。犬の真似してみようか。暑いとき口開けてハッ、ハッ、って息してるだろ。あれの真似。沢山吸わんでいいから、少しずつ早く繰り返せるように練習してみてくれ。途中でリズムが乱れたり、だんだん息の収支が合わなくなって苦しくなってきたら、うん、未熟だな。目一杯吸って、胸や喉で息止めて、小出しに息使ってると、苦しいよ。
この息取りの方法ができれば、かなり息取りの場所を増やせるぞ。アーティキュレーションを利用して息が取れる。ただし、息を吸った後に、アンブシュアが即出来上がらないとなかなか上手くいかない。だからぁ、唇に力入れすぎんな!ってことになるの。出てくる息の量とスピードに合わせて、アンブシュアを作ればいいの。アンブシュアを作って息を出すんじゃないのね。

やってみりゃ簡単なんだけど、書くとなんだか難しそうだな。
でも、きょうの練習は、夜中でもできるぞ。

きょうはここまでだ。