フルートの吹き方 良い音を出すには・・・(3)

「息のエネルギーを最大の効率で音に変える」

前回は、主に楽器の側から息がどう当てられるべきかを考えてきたが、今回は人間の側からだ。息。生き、活き・・・「息」は「生きる」の証。古代ギリシャ語の息(プシュケー)も命や魂のことを含んでいる。つまり、ここでいう息のエネルギーっていうのは、フルートを吹く人の命のエネルギーって事だ。そのエネルギーが最大の効率で音に変えられたら、そりゃもう、良い音どころか、この上もなく素晴らしい音楽になるんじゃないか、と、思うが。どうだろう?

人間と、フルートが接するあの点、あの歌口の真ん中の一点に、私たちの存在のエネルギーを、命を凝縮させるんだよ。子供のころ虫眼鏡で太陽光を 集めて紙を焼いたでしょ。あんな風にフルートのあの一点を燃え上がらせるんだよ。そして、そこから私たちの音楽を始めようじゃないか。考えただけで熱くなるだろ? ならんか、まだ。

誤解しないで欲しいんだが、決して力を入れろとは言ってないぞ。虫眼鏡を紙に近付けても、強く握ってもうまくいかないだろ。無駄な力を一切省いて、その力を歌口のあの一点に集中させなければならないのだから、必要最小限の力で立て、最小限の力で楽器を持ち、最小限の力で指を動かし、譜面を読め、そして、最小限の力で呼吸をしろ!唇に余計な力を入れるな!余計なことを考えるな!うまいとか下手とか、称賛とか、非難とか、何時間もかけて練り上げた表現とかも考えるな!きょうのギャラとか、言うことをきかない子供のことなんか、一瞬思い浮かべるだけで最悪だぞ。

えっと、頭冷やすために・・・

「生き」はVivace(ヴィヴァーチェ)、「活き」はAllegro(アレグロ)、ついでに「行き」はAndante(アンダンテ)。Allegroに「速い」なんて意味は無いからね。同様に、Largo(ラルゴ)には「遅い」という意味はない、「ゆったりと」だ。ゆっくりはLento(レント)だ。Adagio(アダージオ)はどちらかというと、「静かに」のほうが合ってる。Andanteが「歩く速さ」なんて、嘘っぱちだぞ。Andanteはandareの現在分詞。andareは英語のgoだからね。ゆったりと、途切れなく前に進んでいくんだ。

次回は「あの一点」について述べる。

きょうはここまでだ。

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